こんにちは。
FOMC(連邦公開市場委員会)の開催が迫ってきました。
その会合の行方次第では、金融マーケットの混乱が予想されます。
市場は3会合連続の0.75%の利上げを予想していますが果たしてどうなるでしょうか。
今後起こりうるシナリオを考えましょう。
FOMC(連邦公開市場委員会)とは
まずFOMC(連邦公開準備委員会)についての復習からです。
FOMCとは、Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略で、米国の金融政策を決定する会合のことです。日本では、「日銀金融政策決定会合」で金融政策を決定していますが、それに当たるものがFOMCです。
FOMCは年に8回開催され、現在の景況判断と政策金利(FF金利)の上げ下げなどの方針が発表されます。その結果が市場の予想とは違った場合には、株式市場や為替レートが大きく変動することがあり、世界の金融マーケットにも大きな影響を及ぼします。FOMCでは政策金利の引き上げや引き下げの判断をしています。その発表は世界のマーケットに与える影響が大きいのですが、市場関係者の予想との乖離があるかないかで、大きく違ってきます。例えば市場が0.25%の利下げを予想しているときに0.5%の利下げが行われると、予想以上の結果ということで株価に影響が出たりします。
引用:SMBC日興証券
FOMCは日本でいうところの日銀金融政策決定会合にあたります。
FOMCではさまざまな金融政策が議論され決定されるわけですが、その発表で金融市場が大きく動くことがあります。
今回は特に注目されますので、まばたきせずに見守りましょう。
FOMCが利上げを急ぐ要因は主に2つ
FRB(米国連邦準備理事会)が利上げを急ぐ理由として主に2つあります。
1.コロナショックの対応で利下げをしていた金利を通常に戻すため
コロナショックが市場を襲った当時、金融市場を落ち着かせるためにFRBは大幅な緊急利下げを敢行していました。
コロナ禍による金融政策により、米国国内経済の安定化をはかってきました。
その緊急事態もコロナ禍の終息宣言とともに終焉をはかろうとしているわけです。
米国の国内経済が好調なうちに、金利の正常化をはかっておこうとするFRBの思惑が感じ取れます。
2.インフレ抑制策の一環として
バイデン政権が発足してからというもの、物価の高騰が止まりません。
物価高騰の長期化は、国内経済の疲弊を招きます。
各経済指数は長期的な米国経済の失速を読み解くことができます。
インフレはそれに拍車をかけるものであるがゆえに、手を打たなくてはなりません。
利上げをすることで物価上昇の抑制を図りたい意図は感じますが...。
利上げに向かうもリセッション、向かわぬはもインフレ。
どちらに転んでも明るい兆しは見受けられません。
利上げで懸念される要因
通常0.25%の利上げにとどまることが多いわけですが、0.75%の利上げが予想されている今回のFOMC。
0.75%の利上げは3会合連続ということでその利上げ幅はもちろんのこと、連続性も異例の事態といえます。
なぜそのような事態に陥っているのでしょうか。
またこの利上げにより米国経済そして世界経済はどこに向かっているのでしょうか。
2つのシナリオが考えられます。
1.リセッション(景気後退)局面へ突入
0.75%という大幅な利上げをした場合、景気悪化へ向かう懸念があります。
リセッション(景気後退)へ突入すると再三いわれていましたが、長期的展望に立った場合いよいよ現実味を帯びてきます。
物価上昇は企業の調達コストを上昇させます。
企業業績も悪化してくるにつれ、業績悪化や倒産にも発展しかねません。
そうなれば失業者が溢れてくる可能性もあります。
消費者側は金利が高くなるにつれ消費意欲の減退を招きます。
住宅ローン金利の上昇が住宅購入意欲を削ぎ落とす結果にならないことを祈ります。
ちなみに先ほど発表された「米国住宅着工件数」は市場予想を大きく上回りました。
駆け込み重要的なものにならないことを祈ります。
2.株式市場からの資金流出
大幅な利上げは株式市場から資金流出も懸念されます。
株価が大きく根を下げる可能性があることを覚えておく必要があります。
今回のFOMCによる利上げは市場では織り込み済みの感もあり、安全資産へすでに資金を逃している大物投資家もいるようです。
金融市場の混乱は当面避けられそうにありません。
債券市場の金利が上昇したのがその合図かもしれません。
絶好調だった米国経済もいよいよ冷え込んでくるか。
多くの投資家はこの利上げは織り込み済みとして投資行動をとっているはずです。
金融マーケットの混乱は一時的なものと予想していますが、なんとも展開が読めません。
好調だった米国経済もこれを機に、今後は下振れが予想されています。
それは長期にわたる可能性もあり、短期トレーダーを中心に念頭に置いておく必要性があ流でしょう。
...と思ってみたり。
ではこのへんで。
所長