
どうも。
為替ヘッジをいつもは恨んでいるのですが、今回ばかりはその恩恵を受けて感謝しています。
この変わり身の早さこそが持ち味のFPひろき(@fp_hiroki)でーす。笑
もはや乱高下を繰り返しながら株価がだだ下がりの株式市場について、もはや何も言うつもりはありません。
これ、しばらく続くと思うので、一喜一憂しないようにしてます。
仕事柄、相場感や先行き感などは抑えておくのは当たり前なのですが、基本路線として、今は慌てず騒がずの姿勢が大事である旨を顧客と共有したいと思います。
さて、この株価下落の要因は新型コロナウイルスによるところが大きいわけですが、それだけではありません。
そうです、株価大幅下落の裏で為替相場も大きく動いてました。
円が急騰し、投信の基準価格にも影響を与えていたのです。
今日はその為替に着目し、少し掘り下げてみたいと思います。
Contents
●まずは最近の為替相場においての円高ドル安について分析してみる。
ほんの1ヶ月もしない間の話。
2/21には、1ドル112円まで円が急落したんですよね。
日本国内のみならず、欧州でも新型コロナウイルスが流行し始めた時期。
それにも関わらず円が買われることなく円が売られた..。
この時はさすがに、
とさえ思っていたんです。
しかし。
外国資産保有者にとってみれば、円安は朗報以外の何物でもなかったのですが、
その喜びも束の間の話で終えてしまいました。
1安倍総理が新型コロナウイルス対策を講じ、終息の兆しが見えた日本に買いが殺到。
円安になりこれで為替差益を獲得していけると思ってた矢先...。
最近のこの円高ときたら...。
日本の新型コロナウイルスに対する対応と終息に目処が立ってきた社会情勢を評価した投資家が、
日本円を安全資産と判断してリスク回避に走った結果、日本円を買い込んだと予想しました。
それはそうですよね。
いくら「有事の円買い」神話が薄れつつあると言っても、新型コロナウイルスはもはや欧米を中心に流行が拡大しているのですから。
米国でも感染者が2,000人を越し(2020/3/13現在)、『国家非常事態宣言』を出すに至っており、深刻度が日に日に高まっています。
終息の兆しを見せている日本に買いが入るのは、もはや時間の問題だろうと目されておりました。
2新型コロナウイルス終息の目処がたってきて円高局面に突入したところに原油安が直撃。
世界の金融市場がリスクをはらんだ時、資金のリスク回避先として買われる通貨が、
日本円とスイスフランと言うのはもはや金融界の常識です。
それが今回も生じたわけですが、それだけにとどまらい要因が生じたことが、円高に更なる拍車を掛けたのです。
ズバリこれです。
わかりやすく解説されているのがこちら。↓これをご参照ください。
サウジアラビアなどのOPEC加入国と、ロシアなどの非加盟国との間でとり行われていた減産協議が不調に終わり協議が決裂しました。
サウジアラビアは原油増産に舵を切り、原油価格の国際競争に出たのです。
原油を増産すると言うことは、市場供給量を上回ることを意味し、原油余りの状態を作り出します。
それは、原油価格が下落してくる構図を作り出すのは必然のことでした。
これをされて一番困るのが、実のところ米国のシェール企業だったりするのです。
シェール革命後、世界一の産油国となった米国ですが、世界的な原油安は米国が一番の痛手を被る...。
これは、前から言われていたこと。
シェール企業の多くは経営体力がない中小企業です。
価格競争に巻き込まれ、倒産ラッシュになるのではないかとの懸念がささやかれ始めました。
(ロシアは外交攻勢をかけ、これを狙ったのではないか、とも言われています。)
米国経済の先行きにも暗雲が立ち込むと予想する投資家が、早めに資金を引き揚げ、日本円などに避難させた...。
また、原油安は原油への投資も魅力が無くなることを意味しているので、そちら方面の投資家の資金も、日本円に向かわせた可能性も否定できません。
これらの要因によって、資金が日本円に向い円高となったというわけです..。
ヤレヤレ、それはそれは困ったものです。汗
●円高だとなぜ投資家を困らせるのか。
そもそもなぜ円高が投資家の悩みの種になってくるのかをお話しします。
上でも記した通り、ズバリ為替差益が取れなくなるからです。
為替差益どころか、為替差損を含んでしまい、利回り低下につながってしまうのがその要因。
そもそも為替とはどういうものか。少し説明します。
例えば...。
商品購入時に1ドル110円で買ったりんごが、
それがいまでは100円になってしまったとします...。
相対価値が下落しているのは一目瞭然ですよね。
だって、1ドル110円で買ったりんごが、今は1ドル100円でしか売れないことを意味しているわけですから。
それを保有している人からしたら赤字であることは一目瞭然です。
そうです、これこそが円高になった状態なのです。
ではなんでこれを円高と言うのか。
ともすれば、見ようによっては円の価値が下がっているわけですから「円安」と言い間違いそうなものです..。
では逆から考えてみましょうか。
ドルの立場からすると、いま、1ドル出しても100円分しか買えないわけです。
りんごを買った当時は、1ドル110円だったのに...。
当時は1ドル出して110円分も買えたのが、
(円安)
今は同じ1ドル出して100円分しか買えない。
(円高)
同じ1ドルで110円と100円。つまり10円の価値の差があるわけです。
米国人は率直にそう思うでしょうね。
時間の経過とともに、1ドルで買える量が減る..。
そうです、これこそが円高ドル安の状態です。
この差こそが大きな利益損失となって降りかかってくるので、投資家にとって厄介な存在になってくるわけです。
外国資産を持つ投資家にとって、円高が進むことは含み損が膨らむことを意味するので、とてもナーバスな問題になります。
●投資信託商品の「為替差損」。具体的にみてみましょう。
僕は海外資産に投資をしている投資信託の基準価格の推移について、為替要因による下落を常に危惧しているのです。
多くの一般投資家の方々は、あまり為替について言及している人が少なく感じますが、実はものすごく影響を受けていることを覚えておくべきでしょう。
例として、アセットマネジメントOneの『世界リート』の騰落要因を見てみましょう。
円高局面に突入すると、為替差損による損失を生み出していることがわかります。
不動産賃貸収入等でせっかく収益をあげたとしても、為替でその利益が吹っ飛んでしまったら悲しいですよね。
以上のことから、為替は太刀打ちできないことがほとんどですが、海外ものファンドの収益構造で大きな要因になっていることは覚えておいた方が良さそうです。
全体的な傾向として、世界情勢や政局などによって、円高に振れそうか、円安に振れそうかの予想は予めできる時もあるので、利確をしたり購入予定を立てたりする判断基準になり得ます。
●「円高」という敵と、ずっと戦ってきた歴史がある。その覚悟を持ちつつ今後も投資をしていく。
かつては為替相場固定制と言う時代がありました。
そうです、聞いたことあるかもしれませんが、
1ドル=360円
だったんです。何が起ころうともその相場は変わることはありませんでした。
この間、ほぼ一貫して円の国際的なレベルでの価値は、上昇し続けた。
外国為替市場での各国通貨の相場は、その国の国際的なレベルでの経済力を反映するものといってよい。つまり、1ドル=360円から1ドル=120円台になったという円高・ドル安ということは、日本の経済成長率が群を抜いた高さであったといえる。
今の感覚だとにわかに信じられませんよね。^^;
変動相場制になってからというもの、1ドル360円から始まったドル円相場は、長期的にみてずっと円高傾向に推移しています。
出典:かぶれん
つまり、金融商品を円安時点で購入し、円高局面でも保有している人が多いことを意味しているのです。
それでもなんとか金利や投資先の収益で利益を出せてきました。
もしこれで為替の影響をそこまで受けてこなかったとしたら...。
きっと、更なる利益を生み出せていたでしょう。
なので為替はバカにできないのです。
それを踏まえて考えた時、今後の海外資産の付き合い方として、
購入、解約のタイミングを計る目安として、
為替に着目していく習慣も身に付けておきたいものです。
そう、投資家として。
ということで今日はこのへんで〜。^^