
新型コロナウイルスからは辛うじて逃げまくっているものの、花粉症からは逃げられずに苦しんでいます。
はい、FPひろき(@fp_hiroki)です。
「中国がくしゃみをすると世界が風邪をひく。」
中国が経済大国としてのし上がってくると、いつしかそう言われる様になりました。
ところが。
新型コロナウイルスはくしゃみどころの話ではなく、それこそ重篤で入院したレベルのスケールです。
すっかり気落ちした中国経済の見通しが気になるところです。
中国経済に大打撃を与えた新型コロナウイルスの影響は、今後世界経済にどの様に波及していくのでしょうか。
少し解説してみたいと思います。
Contents
●新型コロナウイルス感染者のピークは過ぎるも、経済への影響は避けられない。
新型コロナウイルスの感染者のピークは過ぎたと言われる中国。
武漢はまだまだ余談を許さない状況の様ですが、その他の都市においては概ね感染拡大を阻止できたと言われています。
それに代わって世界各国で蔓延しているのが気になるところですが...。
しかし安堵ばかりもしていられません。
次に訪れるのは中国経済への打撃だと言われています。
現に、2月の製造業購買担当PMIは、45.0の予想に対し、35.7。
指標にも顕著に出てまいりました。
出典:nikkei.com
「中国は世界の工場」
と言われる所以は、世界各国の企業の多くが中国に工場を置いているからです。
人口も多く、莫大なマーケットが世界の企業にとって魅力的に映るのは必然でしょう。
もはや、中国のマーケットを無視して世界の企業と渡り合えないというのは、世界で競争を繰り広げるグローバル企業の常識であり共通認識ともなっているのは言うまでもありません。
しかし新型コロナウイルス流行の影響で、その世界の工場が機能せず、雇用も不安定化しかねない状況に...。
そういった懸念もありましたが、トヨタをはじめ多くの企業が中国の工場の操業に漕ぎ付けられたというのは数少ない朗報の一つとなりました。
●中国国内の消費が落ち込むことによる影響は、豪州、NZへの影響が大きい。
中国経済の停滞は全世界的な景気の停滞を意味します。
中国と取引をしている国は多く、その量も莫大な規模になるからです。
日本においても、中国で部品を取り寄せ、日本国内で最終組み立てをするという過程を通過する企業が多いことを考えると、一時的に部品などが入ってこないことを意味し、製品が完成せずに出荷できないといった様なケースが多く考えられます。
日本や欧米の企業にとっても痛手です。売上が落ち込めば業績悪化も避けられず、株価も当然下落してくることが考えられます。
中国に依存する形で経済が成り立っている豪州やNZはとりわけ痛手を被るでしょう。
豪州の主要な輸出品に鉄鉱石があります。中国国内の生産量が減少すると、豪州は輸出量が減り、貿易赤字に転落します。
NZは乳製品を多く中国に輸出しています。
雇用不安で消費が落ち込む様なことがあれば、乳製品の消費も減り、中国への輸出も減少してしまいます。
NZ経済にとっても大打撃を受けるのは必至ということで、今後の見通しはネガティブなものになるのは必然でしょう。
●豪州、NZの為替、債権価格は要チェックです。
一時、投資先として一世を風靡した豪州とNZ。
いくら投資信託が長期保有前提の金融商品とはいえ、少しテコ入れを検討する余地も出てきました。
3年前の豪州の為替相場は、1豪ドル85円ほどでしたが、今日現在約70円にまで円高が進んでいます。
NZドルも同様に円高傾向であることを考えると、基準価格もなかなか上昇しずらい時期かもしれません。
また、政策金利も下げる一方で、上げる気配が一向に無い...。
しばらくは暗い時期を過ごさなくてはならないかもしれません。
●中国が風邪で入院している間に、お見舞いにいって快気祝いを待つという戦術。
高金利で高格付けで人気となった豪州債券とNZ債券の魅力も薄まったのは仕方ないことだと思います。
しかし逆にいうと、株価がこの新型コロナウイルスの影響で下落する中、逆張りしてこの辺りの債権ファンドを購入するのも悪くないという考え方もあります。
株価が上がらないと判断し、債権市場に資金が流入し、価格が高騰すると踏めば、円高で基準価格が下がっているからこそ、購入するという選択肢もあって然るべきともいえます。
中国が風邪で重症に陥り、全世界にその風が蔓延しているこの状況。
そして米国株がここまで下落したいま、視野を広く持ち、冷静に
豪州やNZもチェックしておくと面白いかもしれませんよ。^^