
リモートワークが当たり前のものになり、もはや出勤するという概念が消えつつあるFPひろき(@fp_hiroki)です。
なんだか緊急事態宣言の解除が間近らしい。
せっかく慣れ親しんだリモートワークだったのに残念でなりません。
それはさておき。
先日から予告してあったように、今日のブログ記事では、投資信託における各種リスクについて解説しようと思います。
Contents
●投資信託における各種リスクについて解説しようと考えた理由。
昨今、インターネット経由で投資信託など投資性商品を購入することが普通になり、
目論見書の存在すらも知らない投資初心者が増えてきました。
本来、目論見書は非常に重要な書面です。
販売者は目論見書を渡しそびれたり、期限切れのものを渡したりでもしたら、
その時点で証券事故扱いとなり、厳しい厳罰が課せられるのです。
それぐらい重要な目論見書には、そのファンドの各種リスクが記載されているわけですが、その記載内容がなんとも堅苦しい。
それもあってか、これらリスクを理解できていない人が意外にも多いので、今日はその各種リスクについて解説してみるに至りました。
順次見てみましょう。
●投資信託の各種リスク
我々は、リスク、リスクという言葉を簡単に口にしますが、その本質を本当に理解しているのでしょうか。
実はリスクは一つではない。
それについて、しっかりと目論見書に出ていますので、投資信託購入前にはしっかりと確認しておくことをお勧めします。
その投資信託のリスクはいろいろありますが、以下のようなものがあります。
1信用リスク
目論見書には、こんな感じで記載されていますが、もっと端的に言い表します。
株や債券は必ず発行元があります。
国債であれば国。社債や株であれば企業です。
この発行元の経営状態で資金が回収できなくなるリスクがある、と考えるとわかりやすいでしょう。
一般的には、発行元のデフォルト(債務不履行)や経営破綻などで債券や株式に損失を被るリスクがあることを指します。
債券や株の発行元の経営状態に左右され、資産の変動が生じるリスクを信用リスクといいます。
2価格変動リスク
このリスクはわかりやすいのですが、投資対象となっている株や債券は常に価格が変動しているのはご存知の通りです。
その価格変動によって、投資信託の日々の基準価格が変動する要因になっています。
政局や国際情勢や企業業績などから判断した投資家の動きが、これらの資産の価格を目まぐるしく変動させます。
資産の価格が日々変動するリスクを価格変動リスクといいます。
3為替リスク
投資の世界において、リスクとは、値上がり・値下がりを含めてどうなるかわからない(不確実)ということを意味します。
投資家は国ごとの経済成長率やインフレ率、国際収支などの動向を見て、経済成長が期待できると予測される国に投資をします。そのため、多くの人がそう考えて、ある国に投資すると、その国の通貨がたくさん買われることになり、通貨は強く(高く)なります。
基本的には、為替も需要(買いたい人)と供給(売りたい人)のバランスで価格が変動するのです。
海外資産に投資をするということは、為替の影響を受けます。
例えば昨日1ドル110円が、今日1ドル109円の場合。円高。
円高→同じものを購入するにも、有利に買えます。
例えば昨日1ドル110円が、今日1ドル111円になった場合。円安。
円安→同じものを購入するにも、不利になります。
為替相場の変動で資産が変動するリスクこそが為替変動リスクです。
為替については過去にブログに記事を書いてます。
こちらも併せてご参照ください。
4金利変動リスク
特に債券は金利の変動に大きな影響を受けます。債券の金利はあらかじめ決まっているのですが、満期前でも市場において時価で売買することが可能です。
そのときに市場の金利が上がっていれば、債券価格は下がります。なぜならば市場金利が高くなると低い金利の債券を売って、もっと有利な投資をしようという人が多くなるからです。金利が下がれば逆の動きになります。
金利は常に変動しています。
今回のコロナショックにおける金融政策でも、各国が政策金利を大胆に押し下げ、テコ入れを実施したことは記憶に新しいところです。
国債や社債に代表される債券は、金利が上昇すると債券の価格が下がるのが一般的です。
金利が下落すると逆に債券価格は上がります。
この金利の振れ幅によって、資産価値が変動するリスクこそが金利変動リスクなのです。
5流動性リスク
投資信託においては、常に銘柄入替などがとり行われています。
しかし、その銘柄入替を実施し、より効果的な投資を実践したいと考えても、保有している資産が即座に売却できるとは限りません。
買い手が見当たらなくては、売買が成立しないからです。
売り手が考えている価格があったとしても、買い手がいなければ売買は成立せず、価格は下落し続けます。
このリスクこそがまさに流動性リスクの典型例です。
企業の業績不振や不祥事などで、買い手が見つからない状態がまさにそれに該当します。
買い手が見つかるまで保有したはいいものの、その間に価格はみるみる下落する...。
この状態もまさに資産価値を減らしているに他なりません。
6カントリーリスク
特に国債など、その国の発行する債券に投資している場合は、発行元の国の政治・経済状態は非常に重要です。国はつぶれないという思い込みは危険で、世界では経済危機に陥っている国もあるのです。
投資対象国が、日本のように常に平穏な国とは限りません。
投資対象国において、内乱やクーデターだって起こりうる可能性を秘めています。
その混乱時に、資産を売却したいと考えても、市場が開いているとは限りません。その間にも、保有している資産の価格はみるみる下落していく可能性すらあるのです。
それがまさしくカントリーリスクです。
新興国ほどこのリスクは上がります。
地政学リスクもある意味においてはこの中に含まれます。
●投資信託における各種リスクは、ファンド購入時は特に確認しておきたい。
最近はインターネットで簡単に投資信託を購入できる環境になったので、購入ファンドがどのようなリスクをはらんでいるのかをあまり確認しないで購入する人が多くなったと感じています。
この各種リスクを抑えておかなくては、購入時期の見定めや、出口戦略を見誤る可能性すらあり得ます。
購入したファンドの基準価格が、どのような場面で上がる傾向にあり、どのような場面で下がる傾向にあるかの特徴を抑えるためには、最低でもこれらの各種リスクを把握しておかなくては判断がつかないのです。
投資初心者においては、このファンドごとの各種リスクを理解していない人が非常に多い傾向にあるので、投資を難しくして行っていることも考えられます。
政局、金融政策、企業業績そして世界情勢の影響で大きく変わってくるのが投資の世界。
一見すると難しく、興味が持てないものかもしれません。
しかし、投資で利益を上げる最短ルートは、勉強と経験に他ならないのです。
そして。
投資で一番大事なことは未来を見据える力です。
すべてを見通すことはできませんが、傾向を掴むことはできるので、そのためにもまずはこれらの各種リスクは抑えておきましょう。
そんなところで今日はドロンします。
ではでは。