
どうもです。
「ローリスク運用あってのハイリスク運用である」
と考えるFPひろき(@fp_hiroki)でーす。
最近twitterを眺めていると、なんだか感覚が麻痺してくるのです。
米国株は普通でしょ。個別株とまでは言わなくとも、
米国ETF(米国上場投資信託)ぐらいやらないと儲からないよね。
だとか、
投資初心者です。
米国個別株投資、始めました!
みたいなtweetをよく目にするのです。
これらのtweetを見るにつけ、このあたりの資産への投資が、あたかも普通のことであるかのような錯覚を覚えます。
いやいや投資初心者には、
これは普通のことではない...
のです。
主に投資初心者から資産運用の相談を受け、お話をさせて頂いている立場のFPひろきからすると、これは到底普通のことではありません。
率直な感想としては、少しリスク度が高い資産に傾倒しがちかな、と思ってみたり。
まぁ、ご自身が納得していればなんら問題は無いんですけどね。笑
それでも、物事には順序があると思っている堅〜い人間のFPひろきとしては、少し懸念してみたりして...。
要らぬ心配ではあるのはわかっているのですが...、つい..。
外出自粛で出社できないFPひろき。
お客様と話す機会がすっかり無くなって久しくなりますが、その間すっかりtwitter界の感覚に慣れきってしまいました。
...、と軽い危機感を覚えたFPひろき。
今日は各資産における、それぞれのリスクの程度の整理と、
投資性リスクとの付き合い方を中心に投資初心者視線で語っていきます。
長くなりますがどうそお付き合いください。
Contents
●投資における「リスク」の理解度を深め、恐怖心を払拭する。
投資におけるリスクとは、リターンの振れ幅のことを意味するのです。
決して損をすることだけをリスクと言うわけではありません。
出典:ゆうちょ銀行
投資の世界では、得をする可能性についてもリスク、
と覚えておくといいでしょう。
まずは下の各資産におけるトータルリターンの推移表をご覧ください。
出典:三井住友銀行
これを見ると、各資産によって、異なる動きをしているのが見て取れます。
例えば、[海外株式]という資産クラス。
長い期間を経て、利益を大きく出していることがうかがい知れます。
しかし、それに至るまでは、大きく評価額を下げて大打撃を負っている局面もあり、安定しているとは決して言えません。
まさにジェットコースターのような激しい値動き...。
きっと、保有している間もハラハラドキドキだったことでしょう。
ただ、そのハラハラドキドキというデメリットを受け入れ、それらの難局を乗り越えたからこそ、素晴らしい成果を出せた、とも言い換えられます。
そのデメリットを受け入れられる覚悟と余裕と知識のある人であれば、投資に値する資産クラスであると言えるのです。
一方で、チャートの一番下に位置する[定期預金]に注目してみます。
ややもすると、浮き沈みがまったく無いので、安定している資産クラスと言い切れます。
元本保証されており、リスクを取りたがらない人にはまさにうってつけの金融商品です。
しかし、同様に上図チャートの[インフレ](物価上昇率)よりも下回っていることに着目。
安定していて元本保証でありながら、物価上昇により貨幣価値を下落させ、元本割れを起こしているとの見方もできるのです。
出典:日興アセットマネジメント
上図で説明すると、1,000万円の元本をそのまま保有していたとすると、
物価上昇率が1%の場合でも、5年後には約950万円にまで目減りし、
50万円もの貨幣価値の下落を引き起こしているのです。
今日1,000万円で買えたものが、世の中の物価上昇の波を受け、5年後は950万円分しか買えない...。
これはこれで見えにくいながらも、いや..、見えにくいからこそ怖いリスクと言えるのかもしれません。
これもまたれっきとしたリスク(預金リスクと呼んでいます)なので、覚えておく必要がありそうです。
それはなぜか。
投資をする目的、投資の必要性の一つとなるからです。
そういった判断をしながら、投資をしていくことにおいて、
大きい振れ幅を選ぶのか、小さい振れ幅を選ぶのか。
当たり前といえば当たり前なのですが、投資する各資産ごとにこの振れ幅が異なり、
それをしっかりと理解した上で投資をしたいところです。
●【各資産ごとのリスク(振れ幅)・リターン】のイメージを覚える。
出典:ゆうちょ銀行
投資初心者においては、投資を始める上で以下のような心構えが大事になってきます。
- どの資産に投資をするのか。(正しい資産クラスの理解と覚悟)
- なぜそこに投資をするのか。(ブレのない投資戦略)
- 全保有金融資産における投資割合は適格か。(いざという時の安心感)
これらを踏まえた上で、上図イメージの各資産クラスのリスクの大きさに対して、どのように投資をし、どうバランスを取っていくかを整理していくことこそが、投資に対する恐怖心を払拭していくことにつながります。
特に3の全保有金融資産における変動商品割合の算出は、
安心感を得るためには大事な要素となります。
投資初心者であれば、多くても、
投資性商品の保有割合を全保有金融資産の30%以下に抑えたいものです。
また、ご自身がローリスク運用を心掛けるのか、はたまた、余裕資金を多く保有しているなどの背景から、多少のリスクが取れるのかの判断も必要になります。
(リスク許容度の確認)
それは、どの資産に投資をしていくかの判断基準に繋がっていくからです。
その時に大事になるのが、【各資産クラスのリスク・リターンの図】の理解です。
出典:ゆうちょ銀行
大事なのであらためて紹介しておきます。
先進国、新興国が記載されていないなど完全なものとは言い難いザックリとしたものですが、投資初心者はひとまず、これを覚えておいて損はないでしょう。
投資経験を積む中で、少しずつ更なる資産クラスの深堀りをしていくことをお勧めします。
兎にも角にも、この【各資産のリスク・リターンの図】こそが投資の基本となってくることを肝に銘じておきましょう。
●「投資のリスクとどう付き合う?」分散投資とリスク性商品の保有割合の考え方が重要になります。
投資にリスクは付き物です。
それを理解、意識した上で、投資性商品を保有すれば、少なくとも恐怖心は半減するでしょう。
また、基本的な投資戦略(分散投資)をとることで、さらにその恐怖心の半減も期待できます。
1「分散投資」を心がけ、リスクを一辺倒に追わないように工夫する。
出典:大同生命
投資に対する恐怖心の払拭は、分散投資をすることで、さらなる気持ち的な余裕を生み出します。
出典:金融庁
1「資産分散」とは何か。
投資対象資産は、日々その価格が変動しています。
一つの資産にだけ投資をしていた場合、下落した場合はその損失を全て負うことになってしまいます。
しかし、複数資産に投資をしておけば、そのリスクは軽減できます。
例えば、株価下落局面では、債券が上昇するのが一般的と言われてます。
全ての運用資産を下落局面から守るためにも、資産を分散して保有することの有効性は、
かなり効果的であると言えるでしょう。
2「地域分散」、「通貨分散」とは。
2011年3月11日。
東日本大震災がありました。
日本において、多くの人が亡くなり、いろいろなものを失いました。
経済も同様です。時間が止まってしまったかのような瀕死状態の金融マーケットの動きに、多くの投資家が絶望したのです。
もしあの時、日本にだけでなく、資産の一部だけでも米国という経済大国にお金を振り分けていたら、それは一体どうなっていたでしょうか。
きっと、あそこまで多くの資産を溶かすことがなかったでしょう...。
つまり、[地域分散]、[通貨分散]という考え方はそういうことなのです。
一地域におけるあらゆるリスクを、はじめから少しづつ排除しておくことなのです。
確かに不安定になりがちである為替リスクも付きまといますが、
「海外にお金を置くということはそういうことだ。」
と理解しておけば、最低限の恐怖心は拭えるはずです。
たとえ為替リスクがあったとしても、資産全体のバランスを考えれば、有効なリスク回避手法になりえるので、一つの選択肢になるでしょう。
3「時間分散」とは何か。
手元に100万円あったとしましょう。
それを一括で投資信託を購入したことを考えてください。
もし、購入した翌月に大暴落を迎えてしまったらどうお感じになります?
ああ、100万円の投資元本が大暴落で50万円に...。
つ、辛い...。
それは虚しく、絶望感に襲われますよね。
だとするならば、
「100万円を小分けにし、下がったと判断した局面で、少しずつ購入を進めていく。」
という手法も取れるでしょう。
これこそがまさしく時間分散なのです。
ちなみにiDeCoやつみてたNISAに代表される
積立投資は、究極の時間分散とも言われています。
(ドルコスト平均法)
出典:ゆうちょ銀行
●投資初心者から投資のベテランに至るまで、「分散投資」は投資の基本であることを認識しよう。
「投資家であれば、分散投資は当たり前」
そう考えてもあながち間違いではないでしょう。
実際に、FPひろきが担当させてもらっている富裕層のお客様のポートフォリオは、自ずと分散投資ができています。
資金に余裕があるから分散投資も取りやすい側面もあったでしょう。
どのような理由であれ、分散投資ができていたからこそ、幾度となく訪れた暴落局面においても、そこまでのダメージを受けなかったとも言えるのです。
特に投資初心者においては、投資に対する恐怖心を払拭する意味合いにおいても、分散投資は最低限心掛けたいものです。
詳しい手法は、FPひろきのこちらの過去記事をお読みください。
そしてもう一つ。
分散投資を簡単に可能なものとする積立投資は有効な手段です。
一括購入で損失が出たとしても、積み立てた投資性商品の利益があれば、その損失を埋め返す効果も期待できるからです。
資産形成においても、分散投資の位置付けにおいても有能な積立投資はおすすめです。
投資初心者の方であれば、尚更取り入れたいものです。
ということで、今日はこのへんで。
長々とお付き合いいただいありがとうございました。
ではでは!