
どうも。
毎日平均4人のお客さまにお会いし、お金についての相談を受けているFPひろき(@fp_hiroki)です。
ところが。
新型コロナウイルスの影響で、まったくお客様と話をする機会がなくなり、それと反比例するかのように、ネットの情報が入ってくるようになりました。
その中で、最近とても気になっていることがあるのです。
ネット界隈で、
「インデックスファンド」は、コストも安く安定してるし間違いない。
「インデックスファンド」は投資初心者にはうってつけ!
そのようなニュアンスの発信が非常に多いのが気になりました。
安定している...。う〜〜〜ん...。
初心者にうってつけ...。う〜〜〜ん...。
これって、本当でしょうか。
少し掘り下げて解説したいと思います。
Contents
●「パッシブ運用」と「アクティブ運用」の違いを理解しよう。
運用スタイルは大きく分けて二つになります。
- パッシブ運用(インデックス運用)...ベンチマーク(日経225、NYダウ、S&P500など)に連動した運用成果を目指す運用スタイル。
- アクティブ運用...ベンチマークを上回る運用成果を目指す運用スタイル。アクティブ運用はさらに4つの運用スタイルに分かれます。
- トップダウンアプローチ..
- ボトムアップアプローチ
- グロース型
- バリュー型
ここではこの4つの運用アプローチの詳細説明は割愛します。
2つの運用スタイル。やはり一長一短があるのです。
1パッシブ運用(インデックス運用)のメリット・デメリット
パッシブ運用の「passive」とは、受動とか受け身の意味合いです。
運用資産に手を加えることに対し、受け身であるわけですから、そのまま指数に連動させた運用手法になることを意味しています。つまり放置プレーの運用スタイルというわけです。
例えば、NYダウなどの指数と連動させるのを目標にするわけですから、そこには運用のプロのファンドマネージャーは基本的には介在しません。
メリットとしては、そのファンドマネージャーの人件費たるコストを削減できるので、運用管理費用が低く抑えることができる点があげられます。
デメリットは、指数に連動していることで、暴落時には、保有ファンドの急落をただただ見つめているしかない点でしょう。
2アクティブ運用のメリット・デメリット
アクティブ(active)は“活発”という和訳になります。
では何が活発なのでしょうか。
ベンチマークを上回る運用成果を目指し、ファンドマネージャーに“活発”に動いてもらうことを意味しています。
メリットは、マーケット好調時には、積極的により良い成果を求め、銘柄入替や組入比率を変更。柔軟に対応することで、更なる利益を追い求めてくれます。
当然暴落時もスタンスは同じです。
暴落局面を事前に嗅ぎつけることができた場合には、組入比率や銘柄変更などを実施する柔軟なファンドも増えてきました。
ファンドマネージャーの存在が頼もしく感じる場面も多くあるでしょう。
ところがです。
デメリット面はそのまんまファンドマネージャーの存在が仇となるのです。
長期運用においては、低コストが非常に大事な要素になってきますが、そのコストがどうしても高くなってしまいます。
パッシブ運用(インデックス運用)のところでも述べましたが、人件費等のコストが掛かってくるので、なかなかコストが抑えられないのが現状です。
最近では、AIが代替しているものも増えてはきましたが、それでもやはりコストが高い...。
コストが高いので利益を出しやすいのが特徴である、と言い切れれば納得もしますが、なかなかそうも言い切れないのが辛いところでしょう。
生き物であると言える金融マーケットは、投資のプロであるファンドマネージャーでも、なかなか読み切れないのが窺い知れます。
●アクティブ運用とパッシブ運用(インデックス運用)はどちらが優秀か。
これはあくまでもFPひろきの私見ですが、ズバリ、パッシブ運用(インデックス運用)もアクティブ運用も有能です。なので複数ファンドを保有することが理想的!
ケースバイケースなので、どれが良いとは一概に言えませんが、
20年に渡って積立ていくのであれば、インデックスファンドがコスパ的に良いというデータが出ているのは確かです。
なので積立はインデックスが有効でしょう。
セゾンバンガードなどはアクティブではありますが、評判の良いファンドなので、一概にアクティブを否定するつもりはありません。
また、堅い方は、暴落局面を見据えたファンド選びを重要視するでしょうから、コスパよりも安定感を重視した運用を選択する傾向にあります。
そうするとインデックス運用のファンド選択は、条件付きなものになりそうです。
長期運用で寝かせておくという、
いわゆる「ほったらかし運用」が理想とするのであれば、
インデックス運用一択でも良さそうです。
ただ、出口戦略は常に気をつけておくことが求められるので、出口に差し掛かった時はマーケットの動きや国際情勢などは頭に入れておきたいものです。
●投資初心者がインデックスファンドをどう捉えたら良いのかの結論
いつからか、「インデックスファンドこそが、初心者向けの安定感のあるファンド」、という位置付けになっていたことに驚きを隠せないでいるFPひろきがいます。
たぶん、ここ2、3年の間に投資初心者がかなりマーケットに流入してきたことが要因だと考えられます。
そうです、米国経済が好調な時期で、NYダウやS&P500が軒並み最高値を更新していた時期です。
それもあり、米国株インデックスに投資をしておけば間違いないと、ネットなどの情報を短絡的に評価した投資初心者が多かったのではないでしょうか。
確かにいろいろな要素から長期的スパンで判断した場合、米国株に投資をすることは、割と的を得ているとの見方もあります。
ただこれだけは覚えていて欲しい。
インデックスファンドのすべてが、
決して投資初心者向けの安定感のあるファンドとは言え切れない、
ということを。
それはなぜか。
繰り返しますが、インデックスファンドとは、あくまでも指数連動型のファンドでコストが低いというだけのものです。
コスパ面や分かりやすさなどは確かに初心者向けではあります。
しかし、投資初心者にとって、リスクが大きい資産に投資をしていることを忘れがちでいます。
日経225の投資対象は国内株式。
NYダウやS&P500に至っては海外株式です。
これらは、最も高いリスククラスの部類に入ります。
初心者が手を出すのは少し勇気がいるものであると心得ておいた方が良い、というのがFPひろきの見解です(積立は除く)。
まぁ、預貯金が1,000万円ぐらい保有してて、200万円ぐらいでお試しするというのであれば問題ないのでしょうが。
あまり金融資産を持ち合わせていないのであれば、あまり振れ幅のない、それこそゆっくり利益を積み上げていくアクティブ運用のバランス型投信から始めても良さそうです。
インデックスファンドでコストを抑えて利益を出しやすいファンドを選ぶのも一つ。
アクティブファンドで、暴落時に強いファンドで安心感を得ながら投資を覚えていくのも一つ。
両方を持ち合わせて、資産分散を図るのも一つ。
ということで、投資初心者であるのであれば、両方を持ち合わせるのが理想的ではないか、という見解に落ち着いてしまいます。
詳細は過去のブログ記事をご覧ください。
コロナショックで痛手を負った投資初心者が、マーケットから去っていくのを見るのが辛い今日この頃。
インデックスファンド=すべてが安定感のあるコスパ最強の優良ファンドである
...とは一概に言えないのです。
これだけを覚えておいて頂けたら幸いでーす。
はい、今日のところは以上です。
ではではこのへんで。